ベーグル
ベーグルは、小麦粉の生地をひも状にのばし、両端を合わせて輪の形にして発酵させ、茹でた後にオーブンで焼いて作られるアシュケナジムのパンである。この製造法により、外側はカリッと焼き上げられ、内側は柔らかくてもっちりと詰まった歯触りになる。乾燥を防げば品質は数日間保たれる。また、水分量が少ないので、冷凍保存なら家庭用の冷蔵庫でも1ヶ月程度は充分に保存できる。
素のベーグルの他、様々な味付けのベーグルが存在する。伝統的なものは白ゴマ、ニンニク、芥子の実、刻みタマネギや、それらを混ぜ合わせたものなどである。また、生地にシナモンとレーズンやリンゴ、ブルーベリー、クランベリー、ライ麦、プンパーニッケル、鶏卵、サワードウなどを加えたものも存在する。
起源と語源
ベーグルは中央ヨーロッパ、おそらくはポーランドで発祥した。1610年のクラクフの文書に、出産後の女性に"beygl"が贈られたと記されている。これはしばしばベーグルに関する既知の初文献として参照されるが、この"beygl"が何であったのかについてははっきりとしていない。"beygl"は現在のベーグルのようなものであったのかもしれないし、「あぶみ(鐙)」を意味する"beugal"に関連した何かのことであったかもしれないし、それ以外のものであったかもしれない。
よく言われる起源説では、ベーグルの起源は1683年、ウィーンのユダヤ人のパン屋によるものとされるが、このパン屋の名は明らかになっていない。このパン屋が第二次ウィーン包囲における勝利を祝ってベーグルをポーランド王ヤン3世に献上したと言われている。その際、騎兵隊の突撃を記念するためにあぶみの形に作られたという。
ベーグルがあぶみを意味する "baugal" から名付けられたという説は、その単語の類似性からも、伝統的なベーグルは完全な円形ではなく、若干あぶみに似た形をしていたという事実からも、もっともらしいように思われる。
さらには、ベーグルという名は「円形のパン」を意味するイディッシュ語の "bugel" またはドイツ語の "Bügel" から来ているという説もある。
日本語にベーグルが定着する以前はユダヤパンという訳語も見られた。